今年のペルセウス座流星群は好条件

 毎年8月中旬に極大を迎えるペルセウス座流星群は、数が多いだけでなく、明るい流れ星も多いために見ごたえのある流星群として、夏の夜空の風物詩になっています。今年は観察する上での条件が良く、多数の流星の出現が期待されています。

 流星群が出現するのは、ペルセウス座が北東の方角から上ってくる深夜過ぎとなります。今年の8月中旬には月明かりの影響がほとんどありませんから、暗い流星まで見えると期待されています。また、流星数が最も多くなる通常の極大時刻は、日本時間で8月12日から13日にかけての夜間となりますので、好条件下で観察できるわけです。

 さらに、フィンランドのライチネン(Esko Lyytinen)らは、今年のペルセウス座流星群は、日本時間で8月12日午前5時50分頃に、通常よりも活発な活動が見られる可能性があると予測しています。この時刻には、日本では夜明けを迎えてしまっていますが、この予想が当たるとすれば、12日の明け方にかけて流星数が増えていくことも期待されます。また、流星が電波を反射することを利用した電波観測では、昼夜を問わず出現の様子を調べることができます。そのための国際監視網も立ち上がっており、そのデータはインターネットでライブ中継される予定になっています。夜明けまで肉眼で観察し、夜明け後はライブでその後の様子を眺めるのも、ひとつの楽しみ方かも知れません。

 流星群の観察には、特別な望遠鏡や双眼鏡は不要です。星がよく見えるところであれば、どこでもご覧いただけます。見る場所によって、流星の数は大きく変わりますので、人工灯火の多い街中ではなく、郊外や山、海などへ出かける事をお勧めします。流星は空のどこに出現するかわかりませんので、安全な場所に寝転んで夜空を見上げ、気長に待つのがよいでしょう。ただし、虫除けや夜露、防寒対策のために長袖を着用するなどの注意は怠らないようにしましょう。

参照

2004年 8月 5日           国立天文台・広報普及室

※この情報は日本流星研究会の川崎康寛(かわさきやすひろ)さん、小川宏(おが  わひろし)さんより、いただきました。

訂正:「国立天文台 アストロ・トピックス (36) 板垣さん、きりん座に超新星を発見」で「参照:CBAT 74 (Aug. 1, 2004).」となっておりましたが、正しくは「「参照:CBET 74 (Aug. 1, 2004).」です。訂正させていただきます。また、ご指摘をいただいた皆様にはお礼申し上げます。

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CBAT = Central Bureau for Astronomical Telegrams
CBET = Central Bureau Electronic Telegrams (発行:CBAT)
転載:ふくはらなおひと(福原直人)