ぐんま天文台研究員、ゼルドビッチ賞を受賞

 7月18日からフランス・パリで開催される宇宙空間研究委員会(COSPAR、Committee on Space Reerach)総会において、群馬県立ぐんま天文台の観測普及研究員・河北秀世氏にゼルドビッチ賞が授与されることになりました。

 ゼルドビッチ賞は、ロシア科学アカデミーがゼルドビッチ効果等の研究で有名な天体物理学者ヤコブ・ゼルドビッチ(Yacov B. Zeldovich)博士を記念して作ったものです。宇宙空間研究委員会が、8つの異なる科学委員会ごとに優秀な若手研究者(36歳以下)を選び、2年ごとに行われる総会で授与しています。河北氏は、これまでぐんま天文台の望遠鏡だけでなく、国立天文台のすばる望遠鏡を用いて、彗星の分光観測を行い、彗星に含まれるアンモニアの氷結温度の研究(国立天文台・天文ニュース (492))や、今春話題になったリニア彗星に"氷粒"を直接検出に成功する(アストロ・トピックス (4))などの成果を上げてきました。今回の受賞は、それら一連の研究成果が評価された結果といえるでしょう。

 ゼルドビッチ賞は、1990年から前回まで全部で52人の受賞者があります。これまで日本は磁気圏プラズマ部門では2人、天体物理部門で4人、材料科学で1人、合計7人の受賞者を過去に輩出してきました。国立天文台でも天体物理部門で2人の受賞者がありました。今回、河北氏がゼルドビッチ賞では唯一の日本人受賞者となり、また月・惑星部門での受賞は日本人初となります。

参照

2004年7月20日   国立天文台・広報普及室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)