9月21日にいて座の中に新たな新星が発見され、6等台後半まで明るくなっています
この新星を発見したのはオーストラリアのJohn Seachさんで、9月21.381日(世界時;以下同様)に撮影した画像から10.2等の新天体を発見しました。また、群馬県嬬恋村の小嶋正(こじまただし)さんは21.420日に撮影した画像から10.5等で、島根県松江市の金津和義(かなつかずよし)さんは21.484日に撮影した画像から10.6等で、それぞれ独立にこの天体を発見しました。山口県の吉本さんほかの観測によると、この天体の正確な位置(2000.0年分点)は
赤経: 18時 03分 52.76秒 赤緯: -31度 27分 26.7秒
で、発見翌日の9月22.5日ごろには8等台後半まで増光したことがりました。
この天体の分光観測は岡山県の藤井さんによって9月22.451日に行なわれ、この天体のスペクトルには、P Cygプロファイルを持つHα、Hβ、中性ヘリウム、中性酸素の輝線がみられることが分かりました。このようなスペクトルの特徴から、この天体が古典新星であることが判明しました。
VSOLJにこれまでに報告された観測データによると、この新星は9月25-26日ごろには6等台後半まで明るくなり、27日夕方にも7等前後で観測されました。今後の明るさの変化が注目されます。
なお、この新星にはいて座V7994(V7994 Sgr)と変光星名が付けられましたので、以後の観測報告などにはこの名称をお使い下さい。
2025年 9月28日
参考文献
新星の画像
新星のスペクトル
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