7月17日にへび座の中に12等級の新星が発見されました。新星を発見したのはロシア のNew Milky Way Surveyのグループで、7月17.9085日(世界時; 以下同様)に撮影した 画像から12等の新天体を発見しました。この天体はNMW Surveyのグループが発見2日 前の15.8055日に撮影した画像には14等以下で写っていませんでしたが、All-Sky Automated Survey for Supernovae (ASAS-SN)のグループが15.9858日と17.0089日に 撮影した画像には15.8等と14.6等でそれぞれ写っていたことや、Zwicky Transient Facility (ZTF)はこの天体を17.233日に14.4等の新天体(ZTF25abbsdyb)として検出し ていたことから、発見される少なくとも2日前から増光を始め明るくなりつつあった と考えられます。この天体の正確な位置(2000.0年分点)は
赤経: 18時 38分 58.47秒 赤緯: -03度 51分 49.5秒
です。
7月18.846日にはコーカサス山天文台の 2.5m 望遠鏡を用いてこの天体の分光観測が 行なわれ、この天体のスペクトルにはP Cygプロファイルを持つHα、Hβ輝線や、一階 電離した鉄の輝線が見られることが分かりました。このようなスペクトルの特徴から この天体は古典新星であることが判明しました。19-20日にはVバンドや眼視等級では 12等台後半の明るさで観測されました。今後どのような明るさの変化を示すのか注目 されます。
2025年 7月21日
参考文献
- CBAT "Transient Object Followup Reports" TCP J18385851-0351482
- Tarasenkov, A., et al., 2025, ATel #17292
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