さそり座に新星が出現

著者:前原裕之(国立天文台)

今年に入ってからこれまでにへびつかい座に1個とカシオペヤ座に1個、いて座に2個の新星が発見されましたが、また新たな新星が今度はさそり座の中に発見されました。この新星を最初に発見したのはオハイオ州立大学を中心とするAll-Sky AutomatedSurvey for Supernovae (ASAS-SN, "Assassin")のグループで、4月12.168日(世界時; 以下同様)に撮影された画像から11.1等の新天体ASASSN-21fhを発見しました。また、オーストラリアのPaul Camilleriさんも4月12.7625日にこの天体を9.5等で発見しました。発見後の詳しい観測によると、この天体の正確な位置は

赤経: 17時 09分 08.11秒
赤緯: -37度 30分 40.9秒  (2000.0年分点)

です。

この天体の分光観測はインドのアーブー山天文台の1.2m望遠鏡で4月12.916日に行なわれ、この天体のスペクトルにはP Cygプロファイルを持つ水素のバルマー系列や一階電離した鉄、中性酸素の輝線がみられることが分かりました。このようなスペクトルの特徴から、この天体が古典新星であることが確認されました。

この新星は4月13日には8等台後半の明るさになったことが報告されました。南に低い天体ですが、口径7-10cmくらいの双眼鏡や望遠鏡があれば見ることができると思われます。なお、この新星にはさそり座V1710という変光星名がつけられましたので、今後の観測報告ではこの名称をお使い下さい。

2021年 4月14日

新星の画像

参考文献

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