1月末になると明け方の東の空には早くも夏の星座が見え始めます。そんな星座の1つのいて座の中に新星が発見されました。新星を発見したのは愛知県岡崎市の山本稔(やまもとみのる)さんです。山本さんは1月30.8568日(世界時; 以下同様)に焦点距離180mmのレンズとデジタルカメラを用いて撮影した画像から、いて座の中に11.5等の新天体を発見しました。山本さんは翌日の31.839日に撮影した画像にもこの天体が写っていることを確認しました。また、茨城県水戸市の櫻井幸夫(さくらいゆきお)さんも、31.841日にこの天体を独立に発見しました。千葉県の清田さんや山形県の板垣さんによって行なわれたこの天体の詳細な位置や明るさの観測によると、この天体の正確な位置は
赤経: 17時56分14.04秒 赤緯: -29度42分58.0秒 (2000.0年分点)
です。その後の観測では、この天体は発見後それほど大きな変光は示しておらず、2月4日の時点では11.4等ほどで観測されています。
岡山県の赤澤さんは2月1.888日にこの天体の分光観測を行いました。その結果、この天体が強いHα輝線を示すことが分かり、この天体が古典新星であると判明しました。なお、この新星にはいて座V6566(V6566 Sgr)という変光星名が付けられていますので、観測報告をする際にはこの名称をお使い下さい。
2020年02月05日
参考文献
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