明け方の南東の空に銀河中心方向が見えるようになった今年の1月以降、これまでにさそり座の中に2つの新星が発見されましたが、新たな新星がへびつかい座の中に発見されました。新星を発見したのは群馬県嬬恋村の小嶋正(こじまただし)さんです。小嶋さんは2月12.8339日に焦点距離200mmのレンズとデジタルカメラを用いて撮影した画像から12.5等の新天体を発見しました。この天体の発見報告を受けて、2月13日に山口県の吉本さんによって行なわれた観測によると、この天体の正確な位置は、
赤経 17時24分39.93秒 赤緯 -24度21分47.4秒 (2000.0年分点)
です。この天体の位置にはもともとHα輝線を示す17等ほどの赤い天体があったこと、超新星のサーベイを行なっているAll-Sky Automated Survey for Supernovae(ASAS-SN)の観測データによると、この天体は2017年9月末から増光を始めており、10月ごろには14等ほどまで明るくなっていたことも、発見後の調査で分かりました。
この天体の分光観測は広島大学の口径1.5mかなた望遠鏡で2月21.8日に行なわれ、この天体のスペクトルには強いHα輝線がみられることが分かりました。また、南アフリカ大型望遠鏡(SALT)で2月23.127日に行なわれた分光観測では、この天体のスペクトルには水素のバルマー系列や1階電離したカルシウムや鉄等の多数の輝線がみられることが分かり、これらの観測されたスペクトルの特徴から、この天体が古典新星であることが判明しました。
参考文献
- CBAT "Transient Object Followup Reports": PNV J17244011-2421463
- Aydi, E., et al., ATel #11338
- CBET 4489: 20180225 : NOVA IN OPHIUCHUS = PNV J17244011-2421463
新星の画像
2018年2月26日
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