さそり座の中に新星が発見されたというニュースを先月お知らせしたばかりですが、同じさそり座の中に別な新星が発見されました。新星を発見したのは静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんで、先月発見されたさそり座新星に続き今年2個目の発見です。西村さんは2月6.863日(世界時、以下同様)に焦点距離200mmのレンズとデジタルカメラを用いて撮影した画像から、11.7等の新天体を発見しました。この天体は西村さんが発見前日の5.864日に撮影した画像は写っておらず、短期間のうちに明るくなった天体であることが分かりました。西村さんの観測によると、この天体の正確な位置は
赤経:16時 48分 49.64秒 赤緯:-44度 57分 03.1秒 (2000.0年分点)
です。
発見翌日の2月7日に静岡県の金子さんや千葉県の清田さんが行なった観測によると、この天体は発見時よりも1等以上増光し、10等ほどにまで明るくなっていることが分かりました。清田さんはこの天体の分光観測も行ない、11.76日に撮影したこの天体のスペクトルに水素のバルマー系列の輝線が見られることを報告しました。また、12.39日にチリにある口径4.1mのSOAR望遠鏡で行なわれた分光観測や、12.1日に口径10mの南アフリカ大型望遠鏡(SALT)で行なわれた分光観測によると、この天体のスペクトルには幅の広い水素のバルマー系列や1階電離した鉄、中性酸素など多数の輝線がみられることが分かり、これらの観測結果からこの天体が古典新星であると判明しました。
参考文献
- CBET 4488: NOVA SCORPII 2018 No. 2 = PNV J16484962-4457032
- Strader, J., et al., ATel #11289
- Aydi, E., et al., ATel #11290
2018年2月13日
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