2月の明け方の東の空には早くも夏の星座が見えるようになってきています。この時期には明け方の南東の空に見えるさそり座の中に新星が発見されました。新星を発見したのは静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんです。
西村さんは2月1.862日(世界時、以下同様)にさそり座付近を焦点距離200mmのレンズとデジタルカメラで撮影した画像から11.7等の新天体を発見しました。この天体は西村さんが1月30.868日に撮影した画像には既に12.5等で写っていたものの、1月25.872日に撮影した画像や2016年以前に撮影した画像には、この天体の位置に13等よりも明るい天体はみられないことから、つい最近明るくなった天体であることがが分かりました。千葉県の清田さんや野口さんによって行なわれた確認観測によると、この天体の正確な位置は
赤経:16時52分18.63秒 赤緯:-37度54分18.4秒 (2000.0年分点)
で、さそり座μ1, μ2の近くです。
2月12.3日にこの天体の分光観測がチリのセロ・トロロ天文台にある口径4.1mのSOAR望遠鏡で行なわれました。この天体スペクトルには幅が広くダブルピークの線輪郭を持つ水素のバルマー系列やヘリウムの輝線がみられることから、この天体が古典新星であると判明しました。
この新星は発見後比較的早く減光しており、これまでに行なわれた観測によると、2月6日にはおよそ13等、10-11日には14等まで暗くなりました。
2017年2月14日
参考文献
- CBAT "Transient Object Followup Reports" PNV J16521887-3754189
- Strader et al. 2017, ATel #10071
新星の画像
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