七夕の夜にいて座に明るい新星が出現

著者 :前原裕之(京都大学花山天文台)

私たちの銀河系の中心方向に近いいて座には、今年に入ってからだけでもすでに3個の新星が発見されています。そのいて座の中に、今年4個目となる7等級の明るい新星が発見されました。

赤経:18時20分27.26秒
赤緯:-27度44分26.3秒      (2000.0年分点)

です。

岡山県の藤井貢さんは7.629日にこの天体の分光観測を行ない、この天体のスペクトルに、水素のバルマー系列や一階電離した鉄の輝線の他、ナトリウム、酸素、カルシウムの輝線がみられることを報告しました。Hα輝線の幅は秒速1500kmで、これらの特徴から、この天体が古典新星であることが判明しました。

7等級の明るい新星なので、比較的小さな望遠鏡でも見ることができると思われます。梅雨の時期で天体観測には少々困難が伴う季節ですが、今後の明るさの変化などが注目されます。

参考文献

2012年7月8日

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