北の公開天文台で超新星発見

著者 :山岡均(九大理)

杜の都と名高い宮城県仙台市には、1955年開台という日本有数の歴史を持つ公開天文台「仙台市天文台」があります。2008年に移転リニューアルし、口径1.3mの望遠鏡をはじめ、プラネタリウムや展示室を備えた施設です。この1.3m望遠鏡を使って、超新星が発見されました。発見したのは同天文台の小石川正弘(こいしかわ まさひろ)さん、長年天体捜索を続けており、小惑星を多数発見されてきましたが、超新星の発見ははじめてです。

小石川さんは、11月6.608日(世界時、以下同様)撮影の画像から、くじら座の楕円銀河UGC 595に17.5等の新天体を見つけました。天体の位置は、

赤経  0時57分35.60秒
赤緯 -1度23分33.0秒 (2000年分点)

で、銀河の中心核から10秒角東、6秒角南にあたります。アメリカのチームによって10日に行なわれた分光観測で、天体は極大に近いIa型超新星であると報告されています。

公開天文台における超新星発見は、久万高原天体観測館の藤田康英さん、西はりま天文台の内藤博之さん(当時)の例がありますが、東日本では初めてのことになります。東日本にも公開天文台は多く、今後のさらなる活躍が期待されます。

仙台市天文台のページ http://www.sendai-astro.jp/index.html

板垣さんの確認画像 http://www.k-itagaki.jp/images/psn-ugc595.jpg

参考文献

2010年11月11日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。