ほぼ全国的にいちどきに梅雨が明け、夏の天体観測も本番を迎えたところです。そんななかいち早く、超新星が発見されました。発見者は広島市の坪井正紀(つぼいまさき)さんで、今年1月の超新星2010Bに続いての発見です。母銀河は比較的近いもので、これからの振る舞いが大いに楽しみです。
坪井さんは、7月18.514日(世界時、以下同様)に30cm望遠鏡で撮影した画像に、15等台の新しい光点を見いだしました。5月に同じ機材で撮影した画像には写っていません。天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さん、カナダのドミニオン天文台のバラム(D. Balam)さんによって確認されました。天体の位置は、
赤経 17時21分46.1秒 赤緯 +75度50分45.4秒 (2000年分点)
で(坪井さんによる測定)、こぐま座とりゅう座の境界(わずかにこぐま座側)にある渦巻銀河IC 4660の中心角から東に3秒角、南に10秒角ほどのところにあたります。
この銀河は、かなり私たちから近い距離にあると推定され、もし「核爆発型超新星」であれば、発見時よりもさらに明るくなる可能性もあります。今後の分光タイプの判別や、光度変化の追跡が注目されます。
参考文献:
- CBET 2376 (2010 July 19)
2010年7月20日
※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。