へびつかい座に今年2個目の新星

著者 :山岡均(九大理)

へびつかい座は夏の天の川に近く、また広い星座なので、新星が多数見つかります。そのへびつかい座に、今年2個目の新星が出現しました。発見したのは静岡県掛川市の西村栄男(にしむら ひでお)さん、これまで多数の新星を発見してきたベテラン捜索者です。

西村さんは、2月18.845日(世界時、以下同様)撮影のデジカメ画像から、9等級の新星を見つけました。13.84日には同じ位置に11等より明るい天体はありませんでした。多くの観測者によって新天体の実在が確認されています。その位置(板垣公一(いたがき こういち)さん測定)は、

赤経:  17時26分32.08秒
赤緯: -28度49分38.5秒 (2000年分点)

です。

天体のスペクトルが、岡山理科大学のチーム(19.85日)、岡山県倉敷市の藤井貢(ふじい みつぐ)さん(19.86日)によって撮影されています。その結果、この天体は古典新星であり、鉄が多い部類のものであることが判明しました。今後の天体の変化が楽しみです。

参考文献:

2010年2月20日

*1 リンク切れ

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。