距離3Mpc(1000万光年)ほどのたいへん近傍の銀河に、超新星らしい天体が発見されました。発見したのは山形市にお住まいの板垣公一(いたがきこういち)さん、大活躍を続けるベテラン天体捜索家です。
板垣さんは、栃木県高根沢町に設置した30cm反射望遠鏡を用いて2月5.634日(世界時、以下同様)に撮影した画像に、16.0等の新しい光点を見いだしました。
その位置は、
赤経 12時15分41.06秒 赤緯 +36度20分02.9秒 (2000年分点)
で、りょうけん座の不規則銀河NGC 4214の中心から20秒角東、27秒角北にあたります。天体は板垣さん自身によって翌6.568日に、また埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんによって5.710日および6.664日に確認されました。
この銀河は3Mpcほどというたいへん近距離にあります。現在の新天体の絶対等級はマイナス12等ほどで、これは超新星としてはたいへん暗いものです。例外的に暗い超新星なのかそれとも星間吸収を受けているため暗いのか、または大質量星の表面爆発などの、星全体の爆発である超新星とは違う種類の天体なのか、天体の素姓の解明には今後の分光確認や光度変化の追跡が不可欠です。
参考文献:
- CBET 2161 (2010 Jan. 16)
2010年2月7日
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