新年に自身初の超新星発見

著者 :山岡均(九大理)

新年のお屠蘇気分も抜けない時期ですが、今年日本人初の超新星発見が報じられました。発見されたのは、広島市の坪井正紀(つぼい まさき)さんで、自身初の超新星発見です。

坪井さんは、1月7.730日(世界時、以下同様)撮影の画像から、14.4等ほどの明るさの新天体を見つけました。新天体の位置(坪井さんの測定)は、

赤経  13時54分08.7秒
赤緯 +60度40分50.4秒

で、おおぐま座のレンズ状銀河NGC 5370の中心から西に5秒角、北に9秒角ほどにあたります。1月8日(世界時。日本時間では9日未明)にはご自身に加え、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さん、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さん、フィンランドのヘンツネン(Veli-Pekka Hentunen)さんによって天体が確認され、超新星2010Bの符号が付けられました。

レンズ状銀河はあまり星生成が活発ではない銀河と考えられ、この種の銀河に出現する超新星は誕生から爆発までに時間がかかる核爆発型(観測的にはIa型)のものがほとんどです。発見時の明るさは、核爆発型超新星の極大近くに相当します。今後の光度変化のフォローアップや、分光によるタイプ判別が楽しみなところです。

参考文献:

2010年1月9日

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