近傍銀河に出現した超新星2009js

著者 :山岡均(九大理)

秋分も過ぎて、北半球では夜のほうが昼よりも長い季節となりました。天体観測にも長い時間が取れると期待されます。そんな折、近傍銀河のNGC 918に超新星が発見されています。発見したのは、山形市のベテラン天体捜索者、板垣公一(いたがきこういち)さんです。

板垣さんは、10月11.69日(世界時、以下同様)に撮影した画像上で、17.2等級の新しい光点に気付きました。翌日の12.527日にも同じ明るさで見えていましたが、9月24.67日に撮影した画像では、この場所には18.5等級より明るい星はありませんでした。新しい天体の位置(板垣さんの発見時の測定)は、

赤経   2時25分48.30秒
赤緯 +18度29分26.2秒  (2000年分点)

で、おひつじ座の渦巻銀河NGC 918の中心から35秒角西、21秒角南にあたります。外側の腕に沿った位置です。発見画像は、

http://www.k-itagaki.jp/images/ngc918.jpg

で見ることができます。

この天体は、宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさとおる)さんによって確認され、またリック天文台の自動撮像望遠鏡KAITによっても独立に発見されて、超新星2009jsと符号をつけられています。リック天文台ではこの超新星の分光観測も行なわれ、極大に近いII型超新星であると判別されています。母銀河の距離が18Mpcほどと近く、これから明るくなるかもしれません。今後の光度変化が楽しみです。

参考文献:

2009年10月13日

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