梅雨の晴れ間にさらに超新星発見

著者 :山岡均(九大理)

北海道を除く全国が梅雨入りした模様と報じられましたが、本州ではそれほど雨も続かず、梅雨の晴れ間となっています。そんな中、先々週、先週に引き続いて、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが超新星を発見しました。いずれも月曜夜から火曜未明にかけての発見で、このところの板垣さんにとってラッキーな曜日なのかもしれません。

板垣さんは、60cm望遠鏡で6月15.607日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、うしかい座のレンズ状銀河NGC 5525に16.1等級の新天体を見つけました。以前に撮影した画像を調べたところ、9.624日の画像には17.7等で写っていま したが、1.591日以前の画像には写っていませんでした。超新星2009gfと命名された新天体の位置は、

赤経  14時15分37.11秒
赤緯 +14度16分48.6秒  (2000年分点)

で、NGC 5525の中心から西に31秒角、南に9秒角にあたります。

母銀河がレンズ状銀河で、最近星生成が起きていないと推定されるため、今回の超新星は、寿命の短い大質量星起源である重力崩壊型ではなく、誕生から爆発まで時間がかかる核爆発型であろうと思われますが、今後の分光観測によるスペクトル型の判定が望まれます。

参考文献:

2009年6月16日

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