年末年始にも相次ぐ超新星発見

著者 :山岡均(九大理)

冴えた冬の空に年末年始の休暇が重なり、天体捜索者の活躍はこの時期にもますます高まります。昨年には、除夜の鐘がなりやまぬ頃に日本人による超新星発見がありました(VSOLJニュース 187)。本年も再び、日本時間での1日未明に、日本で超新星が発見されました。発見したのは群馬県大泉村の小林隆男(こばやしたかお)さんです。小林さんは、小惑星を2000個以上、周期彗星も1個発見された大ベテラン天体捜索者ですが、超新星を発見されたのはこれが初めてです。

小林さんは、12月31.75日(世界時、以下同様)に撮影したりょうけん座の渦巻銀河NGC 4846のCCD画像に、15.7等の新しい光点を見いだしました。小林さんの確認観測では、翌1.627日にはこの天体は15.5等とわずかに明るくなっています。発見時刻は、日本時間に直すと1月1日午前3時ですが、世界時に基づいて2008年の天体発見として、超新星2008ipと命名されています。天体の位置は、

赤経  12時57分50.20秒
赤緯 +36度22分33.5秒  (2000年分点)

で、NGC 4846の中心から東に30秒角、北に18秒角のところにあたります。埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さん、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さん、またロシアのグループによっても確認観測がなされています。

2008年末に続いて、2009年も年明けから天体発見が相次いでいます。日本人天体捜索者の活躍から目が離せません。

参考文献:

2009年1月2日

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