夏の星座の代表格であるさそり座で、増光中の新星が発見されました。発見したのは福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんのおふたりのグループです。また、茨城県水戸市の櫻井幸夫(さくらいゆきお)さんもこの天体を独立に発見されています。
この天体はフィルターなしのCCD画像で、9月2.459日(世界時、以下同様)には9.5等、翌3.512日には9.0等で捉えられています。中国のグループによると、8月31日には13.5等以下だったとのことでした。また、愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんが9月1.454日に撮影した画像では11.6等で写っており、この間に増光が始まったものと推察されます。
北九州市の高尾明(たかおあきら)さんによると、3.529日に8.8等、4.483日には8.0等で、5.462日にはさらに明るく7.4等となっていたとのことです。また、岡山県井原市で観測されている藤井貢(ふじいみつぐ)さんが3.49日、4.47日に撮影したこの天体のスペクトルは、増光中の新星と思われる様子を示しています。今後の変化が楽しみです。
この他、9月に入ってからは、山形市の板垣公一さんがアンドロメダ座で新しい矮新星を発見したり、南に低くて日本からは見えませんがケンタウルス座で新星らしい天体が発見されたり、新天体の話題が目白押しとなっています。これら新天体から新しい知見が得られることが期待されます。
参考文献:
- CBET 1491 (2008 Sept 2)
- CBET 1496 (2008 Sept 4)
- CBET 1497 (2008 Sept 5)
2008年9月6日
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