梅雨の季節は曇り続きで、天体捜索も思うに任せませんが、そんな中わずかな晴れ間を活かして、超新星が発見されました。発見したのは山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんで、今年5個目の超新星発見(独立発見含む)となります。
板垣さんは、7月1.73日(世界時、以下同様)に撮影したCCD画像で18.2等級の新しい光点に気付き、翌2.649日に同じ明るさで見えているのを確認しました。天体の位置は、
赤経: 3時37分51.43秒 赤緯:+72度34分21.8秒 (2000年分点)
で、カシオペヤ座ときりん座の境界のわずかにカシオペヤ座側にある渦巻銀河NGC 1343の中心から東に8秒核、北に5秒核の位置にあります。以前撮影した画像ではこの位置には20.5等級より明るい天体は見当たりません。
夜半すぎの北空で、また銀河の中心核に近くて暗いため、追跡観測が難しいかもしれませんが、この銀河に出現する超新星としてはたいへん暗い(絶対等級が-14等ほど)もので、今後明るくなるのか、すでに爆発から時間が経っているのか、または星間吸収を強く受けているのかなど、判別が待ち望まれます。
参考文献:
- CBET 1425 (2008 June 2)
2008年7月3日
※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。