山形県山形市にお住まいの板垣公一(いたがきこういち)さんが、自身今年4個目となる超新星を発見しました(独立発見含む、以下同じ)。板垣さんの超新星発見は通算38個目となり、発見のペースは衰えを知りません。
超新星2008btと名付けられたこの天体に世界で最初に気付いたのは、リック(Lick)天文台のカツマン(Katzman)自動撮像望遠鏡で超新星捜索を行なっているカリフォルニア大学バークレー校のグループです。板垣さんはその翌日にこの天体に独立に気付きました。天体の位置(リック天文台の測定)は、
赤経 10時50分16.88秒 赤緯 -12度06分32.0秒 (2000年分点)
で、母銀河であるNGC 3404の中心から16秒角ほど西にあたります。これまでに報告されている明るさは、
4月 3.24日 18.8等より暗い リック天文台 13.23日 16.6等 〃 14.24日 16.5等 〃 14.548日 16.6等 板垣 (時刻は世界時)
で、発見から1日間ではほとんど明るさが変わっていないことがわかります。
NGC 3404はうみへび座の方向にある渦巻銀河で、私たちから2億光年あまりの距離にあります。見かけの明るさ、光度変化のようすを勘案すると、超新星のなかでもそれほど明るくない部類である「重力崩壊型」のものとも考えられますが、今後行なわれる分光によるタイプ判別が待たれます。
参考文献:
- CBET 1336 (2008 Apr. 14)
2008年4月15日
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