茅ヶ崎の広瀬さん、超新星を発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

年末年始にも、新天体ハンターの方々は精力的に捜索を続けておられます。そんなひとりである、神奈川県茅ヶ崎市の広瀬洋治(ひろせようじ)さんは、除夜の鐘が鳴るなか、超新星を発見されました。広瀬さんは、最も近傍に出現した極超新星である、超新星2002apを発見された(VSOLJ ニュース (83))のをはじめ、数々の超新星を発見されてきたベテラン捜索者です。

広瀬さんは、2007年12月31.669日(世界時、以下注記なき場合同様)に、口径35cmのシュミットカセグレン式望遠鏡で撮影した画像から、17等ほどの明るさの超新星を見つけました。この時刻は、日本時では2008年1月1日午前1時3分と、すでに年が明けていますが、国際的な取り扱いでは世界時を使いますので、2007年における発見として、超新星2007uyという符号が付けられました。超新星の位置は、確認観測をされた埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんによると、

赤経:  9時09分35.27秒
赤緯:+33度07分08.9秒  (2000年分点)

で、母天体である開いた渦巻を持つ銀河NGC 2770の中心から21秒角東、15秒角南にあたります。この銀河では活発に星が誕生しており、1999年にも超新星1999ehが発見されています。

今回の超新星は、スペクトル観測から、極大ちょっと前のIb型超新星と判明しています(Blondin et al., private communication)。大質量星が水素外層を失った時に、中心で重力崩壊を起こして星全体がふきとんだものと考えられています。今後のスペクトル・明るさの変化が楽しみな天体です。

参考文献:

2008年1月4日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。