NGC(New General Catalog)は、1888年にドレーヤー(J. L. E. Dreyer)が作製した、星雲・星団・銀河の表です。7840個の天体が、赤経順に並べられているので、7000番台後半だと赤経23時台の天体になるのが普通です。しかし、この赤経は、1860年分点に準拠したものです。現在使われている2000年分点だと、歳差の影響で、7000番台後半でも赤経0時台という天体も存在します。今回超新星が発見された、ペガスス座の銀河NGC 7803は、そんな天体のひとつです。
山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、10月2.60日(世界時、以下同様)に60cm反射望遠鏡を用いて撮影したCCD画像に、17.4等の新しい天体を見つけました。翌3.45日に撮影した画像では、17.3等で確認され、超新星2007kjの名前が付けられました。天体の位置は、
赤経: 0時01分19.58秒 赤緯:+13度06分30.6秒 (2000年分点)
で、母銀河であるNGC 7803の中心核から南に10秒角、西に6秒角ほどのところにあたります。
板垣さんの観測では、発見12日前の9月20日には、19.0等より明るい天体はありませんでした。とすると、この超新星は、爆発から2週間以内の、新鮮なものであると考えられます。距離から推定すると、この超新星は、重力崩壊型であるか、明るい核爆発型であればかなりの星間吸収を受けている可能性が高いものと思われます。今後の分光観測などが期待されます。
参考文献:
- CBET 1092 (2007 Oct 3)
2007年10月4日
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