兵庫県立西はりま天文台のなゆた望遠鏡、超新星を初発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

兵庫県佐用郡佐用町にある、兵庫県立西はりま天文台は、代表的な公開天文台です。市民が天体に親しむ施設として開設され、開台から20年近くの間、数多くの訪問客に、天体観望や天文学入門の糸口を提供し続けています。2004年に完成した2m望遠鏡は、日本国内最大の望遠鏡であると同時に、肉眼で覗くことができる世界最大の望遠鏡でもあります。

西はりま天文台では、宿泊客が天文学を体験する「@サイトプログラム」を実施しています。「宇宙人探し」などとともに人気のあるプログラムに、「超新星探し」があります。天文台の嘱託研究員である内藤博之(ないとうひろゆき)さんは、11日未明、この「超新星探し」の題材にする画像を撮影していて、昔の写真にはない18.6等級の星像に気付きました。星の位置は、

赤経  1時32分19.81秒
赤緯 -7度51分35.8秒  (2000年分点)

で、母銀河であるMCG -01-5-2の中心核から西に9秒角、南に2秒角のところにあたります。天体の存在は南米チリのラス・カンパナス天文台における観測で確かめられ、超新星2007igと呼ばれることになりました。

なゆた望遠鏡での@サイトプログラム超新星探しは、これから本格化していくと思われます。なゆた望遠鏡で次の超新星を発見するのは、宿泊客の誰かかもしれないのです。

参考文献:

2007年9月14日

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