また日本人アマチュア天文家によって銀河系内の新星が発見されました。
いて座V5558と命名されたこの天体は、水戸市の櫻井幸夫(さくらいゆきお)さんが4月14.777日(世界時、以下同様)に撮影したデジカメ画像で10.3等で発見されました。しかし、発見位置の近くには可視で12等級、赤外ではより明るい星があり、この星かどうかの判定が待たれました。19日になって、山形市の板垣公一さんが拡大画像を撮影し、以下の位置を得ました。問題の星とは6秒角あまり離れていました。
赤経: 18時10分18.27秒 赤緯: -18度46分52.1秒 (2000年分点)
愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんは、発見前の画像から、11.792日に11.2等、13.793日に10.8等、14.777日に10.4等であったことを報告しています。また、三重県亀山市の中村祐二(なかむらゆうじ)さんは、19.803日に9.9等と報告しています。櫻井さん、中村さんが4月9.8日頃に撮影した画像では、まだ増光していなかったことがわかっています。
Padova天文台や西はりま天文台で4月20日に、また岡山県井原市の藤井貢さんが16.73日に撮影したスペクトルは、細い、すなわち膨張速度の遅い、水素やヘリウムの輝線がたくさんあるもので、典型的な古典新星とはやや異なるものでした。今後、この天体がどのように変化していくか、目が離せないところです。
参考文献
- CBET 931 (2007 Apr. 19)
- IAUC 8832 (2007 Apr. 20)
- CBET 934 (2007 Apr. 22)
2007年4月23日
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