西村さん、中村さん、へびつかい座に新星を発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

今年に入ってから、銀河系内の新星が続々と発見されています。昨日までに、ケンタウルス座に1つ、さそり座に2つ、はくちょう座に1つの合計4つですが、日本からは観測しにくいケンタウルス座のものを除いて、すべて日本のアマチュア天文家が発見したものです。そして今日、へびつかい座に発見された新星らしい天体も、静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんと、三重県亀山市の中村祐二(なかむらゆうじ)さんのお2人の発見です。日本のアマチュア天文家の活躍は特筆に値するものです。

西村さんは、3月19.812日(世界時、以下同様)に撮影した写真で、10.2等の明るさの新星に気付きました。また、中村さんは、20.812日に撮影したCCD画像で、10.0等の明るさの天体を見つけました。埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さん、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、20.8 日前後に天体を確認し、正確な位置を測定しました。門田さんによる位置は、

赤経  17時42分44.00秒
赤緯 -23度40分35.1秒  (2000年分点)

です。昔の画像では、この位置の数秒角以内には、20等より明るい天体はありません。西村さん、中村さんともに、17日に観測されたときには12等もしくは13等より明るい天体はありませんでした。10等級(1万倍)以上明るくなったもののようで、この2日間でかなりの増光があったことが伺われます。

西はりま天文台において分光観測が行なわれ、この天体は実際に新星であることが明らかになっています。今後の追跡観測が期待されます。

参考文献:

2007年3月21日

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