山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、自身今年3個目の超新星を発見されました。私たちから近い、やや明るい超新星で、今後の追跡観測が期待されます。
板垣さんは、3月1.84日(世界時、以下同様)に60cm反射望遠鏡を用いて撮影した画像から、15.4等の新天体を見つけ、翌日の2.576日には15.3等で確認しました。新天体の位置は、
赤経 14時22分21.03秒 赤緯 -0度23分37.6秒 (2000年分点)
で、おとめ座の渦巻銀河NGC 5584の中心から西に40秒角、南に22秒角の位置にあたります。2月25.73日には18.5等より明るい天体は見当たらず、爆発後数日しか経っていない、たいへん新鮮な超新星と考えられます。
この銀河には、1996年に14.7等の超新星が出現し、富山県の青木昌勝(あおきまさかつ)さんによって発見されたことがあります。この超新星1996aqは、大質量星の重力崩壊によるものでした。母銀河であるNGC 5584は、星が活発に生まれている銀河なので、重力崩壊型の超新星が比較的多く出現すると期待されます。今後、分光タイプの決定や明るさの変化、電波やX線などによる観測 が望まれます。
参考文献
- CBET 863 (2007 Mar. 2)
2007年3月3日
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