板垣さん、NGC 7315に超新星2007Bを発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

正月気分も子供たちの冬休みもまだ明けませんが、早くも日本人による新天体の発見報が届きました。昨年1年間に11個もの超新星を発見(独立発見含む)された、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんによる発見です。

板垣さんは、1月5.38日(世界時、以下同様)に撮影したCCD画像上に、16.7等級の新天体が写っているのに気付きました。新天体の位置は、

赤経:  22時35分31.10秒
赤緯: +34度48分06.6秒  (2000年分点)

で、ペガスス座の銀河NGC 7315の中心から西に7秒角、南に6秒角の位置にあります。2006年12月25.41日に撮影した画像では写っていませんでした。発見2日後の7.395日には、板垣さん自身によって天体が確認され(このとき16.4等)、超新星としての符号「2007B」が与えられました。超新星としても明るい部類のものと考えられ、さらに爆発から10日以内の若い天体と思われます。今後の分光タイプの決定や、光度変化のモニターが望まれます。

今年に入って最初の超新星発見は、アメリカのパケット(Puckett)さんたちによるもので、今回の板垣さんの発見は、世界的に見て今年2個目の超新星発見となります。今年も、板垣さんの活躍が期待されるところです。

参考文献

2007年1月8日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。