山形の板垣さん、明け方の空に超新星2006myを発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

山形県山形市にお住まいの精力的な天体捜索者、板垣公一(いたがきこういち)さんが、またもや超新星を発見されました。明け方に昇ってきた、おとめ 座銀河団近辺での発見です。この銀河団は、私たちからもっとも近くにあるもので、超新星が出現するとかなり明るく(最も明るいもので12等ほど)観測され ます。シーズンの幕開けを感じさせます。

板垣さんは、11月8.82日(世界時、以下同様)に撮影したCCD画像から、15.3等級の新しい光点を発見し、翌日9.81日に同じ明るさで確認しました。天体の 位置は、

赤経   12時43分40.74秒
赤緯  +16度23分14.1秒  (2000年分点)

で、銀河の中心から西に27秒角、南に22.5秒角にあたります。

この銀河は、しばらく太陽の向こうにあって観測不能だったため、板垣さんの最近の観測は6月末にしかありませんでした。今回の超新星がこれから明る くなるものか、それとも何か月か前、太陽に近い時期に爆発したものなのか、期待が分かれましたが、ヨーロッパ天文連合のNOT望遠鏡による観測で、爆発 から1か月以上経過した重力崩壊型超新星であると明らかになりました。

参考文献

2006年11月11日

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