超新星2006dyを山形の板垣さんが発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんが、うしかい座の銀河NGC 5587に超新星を発見されました。彼自身、今年3個目の発見です。爆発後それほど間がないものと思われ、今後の観測が期待されます。

板垣さんが超新星を発見したのは、7月25日の夜(日本時間)のことです。世界時25.54日に撮影した画像で、16.6等級の新天体を見いだしたのです。その位置は、

赤経  14時22分11.45秒
赤緯 +13度55分14.2秒 (2000年分点)

で、母銀河であるNGC 5587の中心から東に10秒角、北に9秒角にあたります。この知らせをうけて、Lick天文台のKatzman自動撮像望遠鏡の画像を調べたところ、3日前の22.22日(世界時、以下同様)には18.5等級で写っていることがわかりました。さらに26.20日に同望遠鏡で撮影した画像では16.5等級になっており、爆発直後の急増光中であると期待されます。

NGC 5587は、S0/a型に分類される、腕があまり発達していない渦巻銀河です。まずまず距離が近いため、母銀河内の星間吸収に邪魔されなければ、核爆発型超新星ならば14等級ほどの極大が期待されます。重力崩壊型であっても16等ほどとなるでしょう。今後、光度変化や分光観測が期待されます。

参考文献

2006年7月26日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。