超新星はひとつの銀河あたり、数十年に1個の割合で出現すると考えられています。ただし、その割合は銀河の種類、特に星が多くできているかどうかによって大きく変わります。腕の開いた渦巻銀河のように、星を活発に形成しているような銀河では、短寿命の重い星が爆発する超新星の数が多くなります。ペガスス座の銀河NGC 7753は、腕が開きぎみの渦巻銀河のひとつです。
今年の1月に超新星2006Aが出現したこの銀河で、今年2個目の超新星が発見されました。発見者は山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんで、これが板垣さん自身今年2個目の超新星発見になります。
超新星は、5月9.765日(世界時、以下同様)撮影の画像で、16.5等の明るさで発見されました。板垣さんの観測では、11.764日に16.6等、14.752日に16.8等と、次第に暗くなっているもようです。超新星の位置は、
赤経: 23時47分06.12秒 赤緯: +29度28分50.6秒 (2000年分点)
で、母銀河であるNGC 7753渦巻銀河の中心から東に17秒角、南に10秒角にあたります。http://www.rochesterastronomy.org/sn2006/n7753s5.jpg に発見画像が置かれています。
1月にはこの銀河は夕空低く、超新星2006Aは発見後に分光観測されることなく暗くなってしまいました。今回も、まだ明け方の空低く、分光観測は難しいところですが、今後の追跡観測が望まれます。
参考文献
- CBET 510 (2006 May 15)
2006年5月15日
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