長谷田勝美さん、らしんばん座に新星らしき天体を独立発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんは、新星を数多く発見されている天体捜索者です。このたび長谷田さんは、らしんばん座に新星らしき天体を独立に発見されました。

この天体は、3月11.191日(世界時、以下同様)に、南米チリのラスカンパナス天文台に置かれた全天自動捜索システム(ASAS-3)によって発見されたものです。長谷田さんは、16.45日に撮影した写真でこの天体に気付き、報告されました。

これまでに報告されている天体の明るさは以下の通りです。

3月5.259日  14.0等以下(V) ASAS-3
  11.191日  12.0等(V)       〃
  14.260日  12.4等(V)       〃
  15.00日   12.6等(V)       〃
  16.00日   12.8等(V)       〃
  16.45日   13.3等(写真)  長谷田勝美
  16.488日  13.1等(CCD)   板垣公一

確認観測を行なった板垣公一(いたがきこういち)さんは、この天体の位置を、

赤経:  9時18分58.50秒
赤緯:-29度42分37.0秒(2000年分点)

と測定されています。冬の銀河のほとりにあたります。

増光前の画像では、この位置に18等ほどの天体が見られます。この星が増光したのであれば、増光幅は6等ほどと小さく、新星であるかどうか今後の追跡観測が待たれるところです。

参考文献

2005年3月17日

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