広瀬洋治さん、NGC 691に超新星2005Wを発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

神奈川県茅ヶ崎市にお住いの広瀬洋治さんは、M 74の極超新星2004apを発見される(vsolj-news 083)など、活発に活躍されている天体捜索者です。広瀬さんは、2月1.442日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、おひつじ座の渦巻銀河NGC 691に、15.2等の超新星を発見されました。

近年、爆発後間もない超新星を観測するために、超新星が発見されると、世界中で協力して確認が行なわれます。今回は、発見から1日もたたない2.18日に、アメリカのLick天文台に設置されたKatzman自動撮像望遠鏡(KAIT)によって確認観測がなされ、速やかに公表されました。その時点での明るさは、14.7等と報告されています。明るくなりつつある途中と考えられます。

超新星の位置は、KAITの観測では、

赤経   1時50分45.77秒
赤緯 +21度45分35.6秒 (2000.0年分点)

で、NGC 691の中心核から東に57秒、南に1秒ほどにあたります。超新星のすぐ北西に、前景の星がありますが、現在は超新星のほうがはるかに明るく見えます。

広瀬さんが1月24日に撮影した画像には16.5等より明るい天体は写っておらず、またKAITで23.20日に撮影した画像にも19.0等より明るい天体は見当たりませんでした。爆発から1週間程度以内の、たいへん新しい超新星と思われます。明るさからすると、Ia型超新星と同等ほどの明るさになっています。現在、世界各地の超新星研究者の望遠鏡が、この天体のタイプ決定を目指して動き出そうとしています。

参考文献

2005年2月2日

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