触覚銀河NGC 4038に明るい超新星が出現

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

からす座のNGC 4038は、NGC 4039と衝突して、まるで虫の触覚のような2本の尾を伸ばしている銀河で、触覚銀河、アンテナ銀河などの愛称で親しまれています。この触覚銀河に、明るい超新星が発見されました。

超新星を発見したのは、南アフリカのアマチュア天文家のモナード(L. A. G. Monard)さんです。発見時である12月12.076日(世界時)には14.9等級で、4日後の16.015日には14.6等級に増光していました。おそらく爆発後間もないものと思われます。

超新星の位置は、

赤経 12時01分50.37秒
赤緯-18度52分12.7秒 (2000年分点)

で、ペアの北側のNGC 4038の西の腕のところになります。

爆発前の画像では、この位置には明るい星団らしきものが見られます。ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡でも、この銀河はたびたび観測されていますので、爆発前の天体のようすが詳細に調べられるものと期待されます。今後の追観測によるタイプ決定・光度変化の様子が注目です。

参考文献

2004年12月17日

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