【転載】VSOLJニュース(116)
日本時間の10月10日未明にVSNETに報告され、即時公開された情報によれば、チリのLillerがコンパス座に新星らしき天体を発見しました。日本からはほぼ観測不能の位置ですが、南半球であれば観測可能です。発見は10月 9.008日 (UT) に撮影されたフィルムによるもので、当時写真等級(赤)で8.2等級と報告されています。その後 9.004日撮影のフィルムにも 7.7等級で記録されていることが報告されました。4.010日撮影の写真では11.0等よりも明るい天体は認められないと報告されています。以上の内容はその後 IAUC 8219 にて公表されました。眼視観測では、オーストラリアのBrownより10.51日に9.9等との報告を受けています。すでに減光が始まっているのか、あるいは写真と眼視の違いによるものかどうかはまだ定かでありません。
天体の精測位置は、オーストラリアの Peter Nelson によって以下のように測定されました。観測条件が十分よくなかったため、この値はまだ少し改訂されるかも知れません。,/p>
15h 17m 52s.8 -61o 57' 17".6 (J2000.0)
天体の種類の確定には分光観測が必要ですが、爆発前の位置には明るい天体はなかった模様で、新星またはそれに近い種類の新天体であることは間違いないでしょう。VSNETでは以下のページに星図や自動サーベイ望遠鏡 ASAS-3 に記録された増光画像を公開しています。
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Novae/ncir03.html
2003年10月11日
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