【転載】VSOLJニュース(104)
山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんは、今年3月にも超新星2003cgを発見されていますが、このゴールデンウィーク中の5月3日に、新たに超新星2003edをりょうけん座の銀河NGC 5303に発見されました。板垣さんの超新星発見は4個目です。
超新星2003edは、60cm反射望遠鏡で5月3.496日(世界時)に撮影されたCCD画像上で、15.2等で発見されました。同日に山梨県の串田麗樹(くしだれいき)さん、埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さんによって天体の存在が確認されました。天体の位置(板垣さんの画像による)は、
赤経13時47分45.36秒、赤緯+38度18分20.3秒 (2000年分点)
で、母銀河であるNGC 5303の中心核から、東に4秒角、北に4秒角ほどのところにあたります。
NGC 5303は活動的な青い銀河で、大質量の星がたくさん作られていると思われます。この銀河の南2.8分のところにはNGC 5303Bという別の銀河があります。また、NGC 5303に重なって、中心角から北に3秒角、西に8秒角のところには、手前の星と思われる15等ほどの天体がありますので、これを超新星と間違えないよう注意が必要です。
米ハーバード大のグループがこの天体の分光観測を5.32日に行ない、この超新星が爆発後間もないII型であることがわかりました。大質量星が生涯を終えるときの爆発だったことになります。今後しばらくは発見時の15等ほどの明るさを保つものと予想されますので、CCDなどでこの銀河を撮影すると、比較的容易に超新星をとらえることができるでしょう。
2003年 5月 6日
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