【転載】VSOLJニュース(056)
イギリスのアマチュア天文家T. Bolesさんが、明るい超新星を発見されました。イギリスの超新星捜索グループの活動は活発で、つい先日もやや明るい超新星2001bfを発見したばかりです。現在の明るさは14等と、小さな望遠鏡でのCCD観測で充分とらえられるものです。年に数個クラスの明るさと言えます。
IAUC 7621に報告された新超新星2001bgは、かに座の棒渦巻銀河NGC 2608に出現したものです。くわしい位置は、赤経8時35分18.86秒, 赤緯+28度28分05.8秒で、母銀河の中心核から東に22秒、南に19秒のところにあたります。NGC 2608の中心核のすぐ近く(7秒北西)には、14.5等級ほどの明るい前景の星があり、中心核が2つあるかのように見えますが、新超新星は南東側にかなり離れた位置で、銀河の渦巻より外にありますから、間違えないようにご注意ください。
母銀河であるNGC 2608はかなり私たちのご近所にある銀河です。この銀河には、過去に別の超新星1920Aが出現していますが、これは12等前後で観測されており、おとめ座銀河団での典型的なIa型超新星とほぼ同じくらいの明るさでした。これからすると、NGC 2608は、おとめ座銀河団とほぼ同じ距離と考えられ、Ia型では12等、その他の型でも14等程度の極大が期待できます。今後のスペクトル観測による型の決定と、継続的な光度観測が望まれます。
2001年 5月10日
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