【転載】VSOLJニュース(047)
新世紀(新千年紀)に入ってまだ5日あまりですが、すでに3つの超新星の発見 が報じられています。最初の超新星2001Aは近傍の銀河(NGC 4261)に出現した ものですが、発見時に18.9等と暗く、かなり古いか吸収を受けたものと考えら れます。一方、2001Bと2001Cはいずれも明るい対象で、新世紀最初の超新星観 測の対象として好適です。
超新星2001Bは、きりん座の北端近くのIC 391銀河に、北京天文台の超新星 探索によって1月3.61日(世界時、以下同)に15.5等級で発見され、翌日には 15.2等級まで明るくなっているのが確かめられました。位置は、赤経4時57分 19.24秒、赤緯+78度11分16.5秒(2000.0分点、以下同)で、母銀河の中心から6 秒西、9秒南にあたります。IC 391は正面向きのやや乱れた渦巻銀河(SA(s)c) で、超新星の位置は南の乱れた腕の中にあります。この銀河は、後退速度が 1556 km/sと近く、もしこの速度がハッブル膨張を反映したものとすれば、超 新星のなかでも明るいIa型であれば極大で13.3等まで明るくなると期待されま すし、II型でも15等前後の極大が見込まれます。
一方、超新星2001Cは、やまねこ座の北端にある銀河PGC 19975に、アメリカ のアマチュアT. PuckettさんとA. Sehgalさんによって1月4.09日に発見されま した。位置は、赤経6時59分36.10秒、赤緯+59度31分01.6秒、母銀河中心の15 秒東、6秒南にあたります。母銀河のPGC 19975は割合暗い渦巻銀河で、中心核 の南西側(8秒西、18秒南)には16等級ほど(もう少し暗い可能性もある)の前景 の星があるので混同しないよう注意が必要です。この母銀河の後退速度は3280 km/sで、Ia型超新星の予想極大光度は14.8等ほどです。
いずれも北天高い位置にあり、この季節見やすい対象と言えるでしょう。寒 さ対策を怠りなく、観望・観測をしてみてください。
2001年1月6日
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