超新星1998dh

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

IAUC 6978(1998年7月25日付)で、比較的近傍の銀河NGC 7541に超新星が発見されたと報じられています。発見者はLick天文台の超新星サーチグループで、彼らはこれまでにも多くの超新星を発見しています。

今回の超新星1998dhの位置は、赤経23時14分40.31秒、赤緯+4度32分14.1秒で、母銀河の中心から54秒西、10秒北にあたります。母銀河であるNGC 7541は、うお座のγ星の北西にある12.5等ほどの棒渦巻銀河で、近くのNGC 7537と銀河群を作っているものです。7月20.5日(世界時、以下同様)イタリアのS. Massaro氏が撮影した画像が、ftp://ftp.kusastro.kyoto-u.ac.jp/pub/vsnet/SNe/sn1998dhで見られます。

1998dhの明るさは、7月20.5日に16.8等、24.5日に15.3等と、急速に明るくなっている段階です。16.5日には19.0等以下でした。分光観測はまだ報じられておらず、したがってそれを基に決まるタイプはまだわかっていません。

銀河の後退速度から見積もった距離から予測すると、この超新星は、もし典型的なIa型であれば14等台前半まで明るくなるでしょう。今後の継続的な光度観測、および型の決定が待たれます。

1998年7月27日

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