山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、つい先日の1月9日に、今年の世界最初の超新星を発見したばかり(国立天文台・天文ニュース(693))ですが、わずか3日後の12日に、今年2個目の超新星を発見しました。
これは口径60センチメートルの反射望遠鏡とCCDによる発見で、洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合へ報告され、超新星2004Bと名前が付けられました。
超新星が出現したのは、オリオン座の足元近くにある、エリダヌス座の銀河IC 390です。
板垣さんが測定された位置は、
赤経 4時 42分 04.71秒 赤緯 -7度 12分 08.2 秒 (2000年分点)
で、銀河の中心から東へ12秒角、北へ15秒角ほどのところにあり、銀河円盤の端近くに重なっています。発見時の超新星の明るさは17.8等級、2日後の14.599日(世界時)に山梨県の串田麗樹(くしだれいき)さんが撮影した画像でも同じくらいの明るさでした。
九州大学の山岡均(やまおかひとし)さんによると、「母銀河の距離から推測すると、この銀河にIa型超新星が出現すると、極大で16等ほどになるはず。しかし今回のものは、極大をずっと過ぎたものか、別の型か、もしくは母銀河内の星間吸収を受けているかであろう。」と述べています。
今回のように、ひとりが2個の新天体を1週間以内に相次いで発見したのは、日本では、
谷中哲雄(やなかてつお)さん(3日後に発見) | 1988年12月29日 彗星C/1988 Y1 (Yanaka)発見 |
1989年 1月 1日 彗星C/1989 A1 (Yanaka)発見 | |
青木昌勝(あおきまさかつ)さん(6時間後に発見) | 1996年12月15日 超新星1996ca発見 |
1996年12月15日 超新星1996cb発見 | |
森敬明(もりひろあき)さん(1時間後に発見) | 1975年10月 5日 彗星C/1975 T1 (Mori-Sato-Fujikawa)発見 |
1975年10月 5日 彗星C/1975 T2 (Suzuki-Saigusa-Mori)発見 |
という事例がありますが、かなり珍しいことと言えるでしょう。
2004年1月16日 国立天文台・広報普及室