【転載】国立天文台・天文ニュース(664)
7月にオーストラリアのシドニーで開催された国際天文学連合(IAU)の会議で、いままで仮符号だけを持っていた木星の衛星11個、土星の衛星12個、天王星の衛星1個に、新たに固有の名前がつけられました。
今回命名された木星の11個の衛星は、ハワイ大学のスコット・シェパード(Scott S. Sheppard)やデービッド・ジューイット(David C. Jewitt)らの研究チームによって発見されたものです
また、土星の12個の衛星のうちAlbiorixを除いては、コート・ダジュール天文台のグラッドマン(B. Gladman)らの研究チームによって発見されました。
天王星の衛星1個と土星の衛星Albiorixについては、ハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターのホールマン(M. Holman)らによって発見されたものです。
この命名により、61個ある木星の衛星のうち38個に、31個ある土星の衛星のうち30個に、21個ある天王星の衛星すべてに、固有の名前がつけられたことになります。
以下の一覧が、新しくつけられた衛星名です。
惑星 番号 衛星名 仮符号 木星 XXVIII Autonoe = S/2001 J 1 XXIX Thyone = S/2001 J 2 XXX Hermippe = S/2001 J 3 XXXI Aitne = S/2001 J 11 XXXII Eurydome = S/2001 J 4 XXXIII Euanthe = S/2001 J 7 XXXIV Euporie = S/2001 J 10 XXXV Orthosie = S/2001 J 9 XXXVI Sponde = S/2001 J 5 XXXVII Kale = S/2001 J 8 XXXVIII Pasithee = S/2001 J 6 土星 XIX Ymir = S/2000 S 1 XX Paaliaq = S/2000 S 2 XXI Tarvos = S/2000 S 4 XXII Ijiraq = S/2000 S 6 XXIII Suttung = S/2000 S 12 XXIV Kiviuq = S/2000 S 5 XXV Mundilfari = S/2000 S 9 XXVI Albiorix = S/2000 S 11 XXVII Skadi = S/2000 S 8 XXVIII Erriapo = S/2000 S 10 XXIX Siarnaq = S/2000 S 3 XXX Thrym = S/2000 S 7 天王星 XXI Trinculo = S/2001 U 1
注:衛星名の読み方は未確認です。
2003年8月14日 国立天文台 広報普及室