【転載】国立天文台・天文ニュース(645)
すでに、天文ニュース(616)でもお伝えしたように、今年の夏から秋にかけて記録的な火星の大接近が起こります。最接近する2003年8月27日には、地球〜火星間の距離が5576万キロメートルとなり、火星の視直径が25.1秒(満月のおよそ70分の1の大きさ)にもなります。数字的には、およそ6万年ぶりの超大接近なのですが、このように近づいても残念ながら望遠鏡で観察しないとその表面の模様までは見ることができません。しかし、8月後半から9月にかけて、火星の明るさはマイナス3等級にもなるため、その独特の赤い輝きを夜空を見上げた誰でもが確認することが出来ることでしょう。
この天文現象を、一人でも多くの人に実際に見てもらいたい。そして、地球と同じ惑星である火星に想いをはせてもらいたい。という想いから、兵庫県立西はりま天文台公園長の黒田武彦(くろだたけひこ)さんたちが「火星観測週間 /マーズウィーク」キャンペーンを企画中です。このキャンペーンは、全国の公開天文台施設、科学館、天文同好会、学校、研究機関などとの連携により行われ、より多くの市民に、実際に望遠鏡で火星を見てもらえるよう観望会や講演 会等を積極的に展開していく運動です。
具体的には、火星観測週間/マーズウィークは、最接近前後の2003年8月22日(金)〜31日(日)に設定されており、この間、人類史上最接近の火星を、過去最多の地球人が見つめることを目標に、次のような活動を行うとしています。
問い合わせ先
兵庫県立西はりま天文台公園内「火星観測週間/マーズウィーク」事務局 兵庫県佐用郡佐用町西河内407-2 Tel: 0790-82-3886 Fax: 0790-82-3514 http://kaseiweek.net/ 実行委員長 黒田武彦(兵庫県立西はりま天文台公園長)
2003年6月25日 国立天文台・広報普及室