【転載】国立天文台・天文ニュース(637)
5月29日の昼間、金星が月にかくされる現象が起こります。
明けの明星として夜明け前の東の空低くに姿を見せている金星が、29日の午後2時ごろに新月直前(月齢27.7)の細い月にかくされ、そして出てくるところを全国で見ることができます。
肉眼で見るのは難しく、双眼鏡や望遠鏡の助けが必要でしょう。近くに太陽があるので、間違って太陽を見てしまうと非常に危険です。注意してください。金星の明るさはマイナス3.9等で、月にくらべて明るいことがわかるかと思われます。
東京の場合、金星が月の明るい側から隠される(潜入)のは14時1分。そして1時間20分後の15時22分に月の欠けた暗い側から現れ(出現)します。
主な各地の潜入・出現の時刻は以下の通りです。
潜入時刻 出現時刻 札幌 14時 6分 15時11分 仙台 14時 3分 15時20分 東京 14時 1分 15時22分 大阪 13時55分 15時20分 福岡 13時47分 15時17分 鹿児島 13時47分 15時17分 那覇 13時46分 15時 9分
金星食は世界的に見れば頻繁に起こっていますが、日本全国で見られたのは、1989年12月2日以来で、13年ぶりのことになります。また、次に日本で見られるのは2012年8月14日です。
全国の公開天文施設などで観望会やインターネット中継が予定されています。姫路市宿泊型児童館『星の子舘』の職員の方が精力的に情報を収集されています、ご参照ください。
2003年5月22日 国立天文台・広報普及室