【転載】国立天文台・天文ニュース(474)
「いて座」に比較的明るい新星が発見されました。肉眼で見ることはできませんが、小さい望遠鏡や双眼鏡なら観測できるでしょう。「いて座」に新星が発見されたのは今年に入って3回目で、国際天文学連合はこの新星に「いて座新星2001 No.3(Nova Sagittarii 2001 No.3)」の記号をつけました。変光星としての番号はV4740 Sagittarii です。
この新星は、ポルトガルのペレイラ(Pereira,A.J.S.)と、チリのリラー(Liller,W.)の二人が、それぞれ独立に発見しました。ペレイラは9月5日(世界時)に、口径10センチの双眼鏡を使って眼視で発見、オレンジ色で7等の明るさと報告しています。またリラーは9月3日(世界時)に撮影した写真から発見したもので、明るさは10等、その位置を、
赤経 18時11分45.82秒 赤緯 −30゜ 30' 49.9" (2000.0)
と報告しています。「いて座」の東寄りの位置ですが、近くにあまり明るい星はありません。
これらの状況からみると、この新星は、3日から5日の間に急激に明るくなったことがわかります。その後も6等台の明るさで観測されていますから、ここしばらくは、小望遠鏡でも見える明るさを保つと思われます。
なお、ペレイラは、この発見のほんの10日ほど前の8月26日、同じく「いて座」のデルタ星の近くに「いて座新星2001 No.2(Nova Sagittarii 2001 No.2=V4739 Sagittarii)」を、同じ双眼鏡を使って、7.6等の明るさで発見したばかりです。
こちらの新星の位置は、
赤経 18時24分46.04秒 赤緯 −30゜ 0' 41.1" (2000.0)
です。ちなみに、「いて座」で今年最初の新星は、2月24日に撮影した写真からリラーが発見した、「いて座新星2001(Nova Sagittarii 2001=V4643 Sagittarii)」です。
2001年9月11日 国立天文台・広報普及室
※すばる望遠鏡の新しい画像 250 万光年かなたの星の世界 アンドロメダ銀河 URL= http://subarutelescope.org/Latestnews/200109/M31/j_index.html
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