【転載】国立天文台・天文ニュース(436)
昨2000年7月から三鷹の国立天文台構内に常時公開コースが設けられ、昼間は、どなたでも、予約なしに天文台へおいでいただけるようになりました(天文ニュース362)。このたび、そのコースにあるいままでの大赤道儀室が「国立天文台歴史館」として、この4月28日にリニューアル・オープンいたします。ゴールデン・ウイークも間近に迫っています。その期間を手近のところでのんびり過ごそうと思われる東京の方、その他興味や関心をお持ちの方は、気軽にお出かけください。
大赤道儀は、口径65センチの屈折望遠鏡として1926年に建設され、東洋一の望遠鏡として1960年頃までは観測の第一線で使われていました。しかし、老朽化のため、また、岡山天体物理観測所、堂平観測所などにより大口径で、機能の優れた反射望遠鏡が建設されたため、この赤道儀はしだいに活躍の場が少なくなり、特に故障をしたわけではありませんが、数年前に、完全に引退しました。
今回オープンした「国立天文台歴史館」は、この大赤道儀のドームを利用し、大赤道儀を囲む形で、国立天文台の歴史を紹介するパネル、明治期最古の望遠鏡や、比較的最近まで使用されていたブリンク・コンパレーターなどの展示をおこない、また、手回し計算機などの体験コーナー(実際にさわって使うこともできます)も備えました。さらに、国立天文台はじめ、世界各国の天文台、宇宙開発事業団、宇宙科学研究所などから提供された天体写真や、その他さまざまな資料を見ることもできます。
通常は係員がいませんが、土曜日曜や祝日、夏休みなどは説明員が常駐しております。受付で気軽に声をおかけください。あらかじめ申し込んで団体で利用される場合には、係員が解説をすることも可能です。みなさまのおいでをお待ちしております。入場は無料です。
ただし、年末、年始の期間(12月28日−1月4日)は公開しておりません。
お知らせ:5月3日(木)は国民の祝日のため、天文ニュースの発行はお休みにします。つぎは5月10日に発行の予定です。
2001年4月26日 国立天文台・広報普及室