【転載】国立天文台・天文ニュース(420)

いて座新星2001


 「いて座」に7.7等の新星が発見されました。

 チリ、ビニャ・デル・マール市のリラー(Liller,W.)は、2月24日に撮影した 写真から、「いて座」に7.7等の明るさの新星を発見しました。新星の位置は 「いて座」の西の端近いところで、散光星雲M8(ラグーン星雲)のやや南にあた ります。これは21世紀になって最初の新星発見で、新星の呼び名は「Nova Sagittarii 2001(いて座新星2001)」になりました。

 この新星の精密位置は、

                      赤経        17時54分40.46秒
                      赤緯      −26゜ 14'   15.2"     (2000.0)

と測定されています。

 リラーは、対物プリズムを使ってこの新星のスペクトル写真を撮影し、明る いHアルファの輝線と、487.9および504.3ナノメートルのところに幅の広い輝帯 を認めています。

また、美星天文台の綾仁一哉(あやにかずや)さんたちは、1.01メートル望遠鏡 により低分散の分光観測をおこない、Hアルファ、Hベータの輝線と、784ナノ メートル付近の輝帯を検出しています。一般に新星の光度が落ち始める時期に は、爆発で吹き飛ばされ、膨張していく殻から、水素のバルマー線などの輝線 がしばしば出現します。観測で報告されている輝線は、それに相当するものと 思われます。

 なお、リラーが発見した新星は非常に多く、1981年以降の20年間に21個を独 立に発見し、今回が22個目と思われます。

参照

2001年3月1日 国立天文台・広報普及室


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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