【転載】国立天文台・天文ニュース(415)
比較的に明るいクロイツ群の彗星が発見されました。
太陽観測宇宙天文台ソーホー(Solar and Heliospheric Observatory;SOHO)は、 そのコロナグラフによって、太陽に接近して明るく輝く多数の彗星を発見して きました。その多くは、太陽の表面をほとんどかすめるように通過するいくつ もの彗星で、クロイツ群の彗星とよばれています。この群の彗星で有名なもの に、1965年秋に長い尾をたなびかせて明け方の空に現れた「池谷・関彗星」が あります。
今年になってからもソーホーは、これまでに、C/2001 A3、C/2001 A4、 C/2001 B3と3個の彗星を発見しています。こうした彗星の多くは、太陽から離 れるにしたがって急速に暗くなり、地上からの通常の観測をすることができま せん。しかし、中には、比較的明るさが持続して、地上から観測ができる場合 もあります。また、ときにはソーホーがクロイツ群に属さない彗星を発見する こともあります。
今回2月6日に新たに発見されたソーホー彗星は、クロイツ群に属するもので すが、比較的明るく、2月7日には4等と観測され、C/2001 C2(SOHO)の認識符号 が付けられました。
これまでの観測から求められたこの彗星の暫定放物線軌道要素は、
近日点通過時刻 2001 Feb. 7.92 TT 近日点距離 0.0049 AU 近日点引数 87゜.45 昇交点黄経 8゜.79 (2000.0) 軌道傾斜角 144゜.80
です。近日点距離の0.0049天文単位は、太陽表面からの距離2万キロメートル 足らずに相当します。
見かけ上の位置が太陽のすぐ近くですから、現在この彗星を地上から観測す ることはできません。もし、太陽からある程度離れてもそれほど暗くならなけ れば、地上から通常の望遠鏡で観測できるかもしれません。
2001年2月8日 国立天文台・広報普及室
先週の電子メールでの国立天文台・天文ニュースの配信が上手く出来ておりま せんでした。お詫び申し上げますと共に、本日お送りさせていただきます。