【転載】国立天文台・天文ニュース(315)

2000年の初日の出はどこが早いか


2000年を迎えるに当たって、「2000年の初日の出が世界でもっとも早いのはどこか」という質問が国立天文台にしばしば寄せられます。わかる範囲で国立天文台が調べた結果、2000年1月1日に対し、初日の出の早いところとして、海上を除き、つぎの表が得られました。この表の時刻はすべて日本時間で表示しています。

国 名場 所初日の出時刻経度緯度
キリバスカロリン島0時43分150゜13'W9゜58'S
ニュージーランドチャタム諸島1時06分176゜30'W43゜55'S
キリバスクリスマス島1時31分157゜18'W1゜48'N
ニュージーランドイースト岬1時46分178゜35'E37゜43'S
ニュージーランドラウール島1時55分177゜54'W29゜16'S

キリバスは、経度180度の経線をまたいで東西に広がる、たくさんの島々から成る国家で、国全体で西側の日付を統一して使用しています。そのため、東側に大きく突きだした地域にある島々が、世界でもっとも早く新しい日付を迎えるのです(天文ニュース245参照)。カロリン島は、そのもっとも東にある島です。無人島だそうですから、そこで初日の出を見るのは難しいでしょう。カロリン島とクリスマス島の間にもごく小さい島々がいくつかあるようですが、はっきりしたことはわかりません。チャタム諸島、クリスマス島には人が住んでいて、クリスマス島には日本の宇宙開発事業団のダウンレンジ局も置かれています。チャタム諸島の東端の島はピット島といい、現実的には、ここでもっとも早い初日を見ることができそうです。イースト岬はニュージーランド北島の東端です。トンガの島々のエウア島、ババウ島、タファヒ島などの初日の出は、やや遅れて2時台になります。この状況から見ると、キリバス、ニュージーランド、トンガの順に2000年の初日を迎えると思われます。

1999年12月16日 国立天文台・広報普及室

お知らせ:来週木曜の12月23日は休日ですから、今年の天文ニュースの発行はこれで終わらせていただきます。皆様よい年をお迎えください。つぎの天文ニュースは2000年1月6日に発行の予定です。


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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