【転載】国立天文台・天文ニュース(305)
富山県の青木昌勝(あおきまさかつ)さんが超新星を発見しました。
青木さんは、CCDを装着した口径40センチの反射望遠鏡による観測で、11月5日、「ろ座」に17.3等の超新星が出現しているのに気付きました。この発見は翌11月6日の確認観測の後、洲本市の中野主一(なかのしゅいち)氏を通じて国際天文学連合に報告され、超新星SN 1999eu の符号がつけられました。これは青木さんによる10個目の超新星発見に当たります。
この超新星の精密位置は
赤経 2h 46m20.79s 赤緯 -30゜19' 6.1" (2000.0)
で、母銀河は「ろ座ベータ星」の2度ほど北にある渦巻銀河 NGC1097です。超新星の位置は、NGC1097の中心から東に23"、南に157"寄ったところです。アメリカ、オーストラリアなどによるその後のスペクトル観測によって、この超新星は特異型タイプIIに分類されました。
組織的な捜索によって、超新星の発見数は近年非常に増加し、このSN 1999eu は、今年になって発見された151個目に当たります。なお、青木さんの前回の超新星発見は1997年12月23日のSN 1997ei(天文ニュース151)以来、また、日本人による超新星発見は今年2月14日の串田麗樹(くしだれいき)さんによるSN 1999aa(天文ニュース240)以来のことです。
参照
1999年11月11日 国立天文台・広報普及室