【転載】国立天文台・天文ニュース(274)
オーストラリア、メルボルン近くのリン(Lynn,Daniel W.)は、7月13日、双眼鏡(10x50)で、「うみへび座」に8等の彗星を発見しました。コマの直径4.2分、強い中央集光があり、毎時10分の速さで北東に移動していると報告されています。この彗星は、国際天文学連合によって新彗星と確認され、C/1999 N2 の認識符号が与えられました。
小望遠鏡で観測できる明るさですが、まだ,軌道が確定していませんので、今後、日本で見やすい位置にくるかどうかはっきりしません。現在は、日没直後に南西の低い位置に見える可能性がありますが、相当に見にくい位置です。まだ正式な発表はありませんが、通称はリン彗星となるものと思われます。
参照
昨年6月に天文ニュース(183)でお知らせした、新彗星発見者に贈られるエドガー・ウイルソン賞の、1999年の受賞者が、スミソニアン天文台から発表されました。受賞者はつぎの方々です。
名 前 国籍 発見彗星名 ウイリアムズ(Williams,Peter) オーストラリア C/1998 R1 タッカー(Tucker, Roy A.) アメリカ P/1998 QP54 イェーガー(Jager,Michael) オーストリア P/1998 U3 ティルブルーク(Tilbrook,Justin) オーストラリア C/1999 A1 コーレビック(Korlevic,Korado)とジュリック(Juric,Mario) クロアチア P/1999 DN3 リー(Lee,Steven) オーストラリア C/1999 H1
彗星発見で実績のある日本人の名が含まれていないのは、ちょっと残念なことです。
参照
1999年7月15日 国立天文台・広報普及室